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石けんのいろいろなことをお届けするコーナーです。
「石ケン素地」のできるまで
「石ケン素地」はどのように作られているのでしょう。その原料は、天然の油脂や脂肪酸を用います。その成分の組成(組み合わせ)でそれぞれの特徴を活かした石けんができます。
「石ケン素地」の製法は主に2種類あり、油脂を用いた場合は、けん化塩析法(釜だき製法)と言い、脂肪酸を用いた場合、中和法と言います。
当社は、中和法ではなく釜だき製法による石けんの製造を行っております。中和法は原料である脂肪酸から、短時間で大量に石けん「=脂肪酸ナトリウム」を作ることが可能です。ただし、中和法で製造された石けんは、洗浄後肌にツッパリ感が発生しやすいため、後の製造工程で保湿成分を添加することも多いです。 それに対して釜だき製法では、油脂から石けんができるまでに1週間もかかります。また、製造の過程で肌あたりをやさしくする天然のうるおい成分が石けんの中に程よく残っています。
では、釜だき製法と中和法について説明しましょう。
a.釜だき製法(けん化塩析法)
精製した天然の油脂(牛脂、ヤシ油など)を反応釜(けん化釜)中で加熱攪拌しながら、水、水酸化ナトリウムを加えて反応(けん化)させます。 完全にけん化して油脂が石けんになったのを確認した後、食塩水を加えて(塩析)、石けんと不純物(石けん甘水)に分離します。これを2回繰り返すことで、けん化釜の上層部ニートソープ(水分が約30%程度の熱時粘稠な純度の高い液状石けん)ができます。
この方法は、熟練した職人さんが約1週間けん化釜の中の様子を見続けることで、良質なニートソープを熟成させ、つくりあげることができます。いわば「手作り」に近い製法で、多くの手間をかけて行われます。
b.中和法
脂肪酸と水酸化ナトリウムを反応機(連続中和装置)の中で、加熱、攪拌させて反応(中和)させるニートソープができます。この方法は、反応に時間がかからないため、数時間で化粧石けんをつくることが可能で、大量生産に向いています。
上記の各製法で作ったニートソープを真空乾燥機で乾燥させて水分を調整したものが「石ケン素地」となるのです。
この「石ケン素地」を用いて石けんをつくります。詳細は 「石けんができるまで」