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石けんの不思議

石けんは、何故汚れを洗い流すことができるのでしょう?

まず、汚れとは、皮膚に付着したホコリや、人体から分泌される皮脂や汗が挙げられると思います。この様な汚れの中には、水洗いだけで洗い流せるものもありますが、人体の皮脂の影響でなかなか水だけでは綺麗に洗浄することはできません。皮脂は、油ですので水で流すだけではなかなか落ちません。「水と油」という言葉があるように、油が水をはじいてしまうからです。

そこで石けんの登場です。
石けんは、油に良くなじむ部分(親油基)と、水に良くなじむ部分(親水基)とから、できています。

石けんの分子の模式図

ですから、水だけでは落ちにくかった汚れ(油)も、石けんを使うと汚れによくなじむ部 分(親油基)が汚れを取り囲み、水によくなじむ部分(親水基)が、汚れを浮かび上がらせ ます。つまり、石けんは水と油の両方になじむ性質を持っているから、汚れを落とすこ とができるのです。

界面活性剤の働き

こうした石けんに代表される「水と油の両方の性質をもち、汚れを落とす洗浄効果のあるもの」を、界面活性剤と呼びます。石けんは、水と油のなじみ合わない二つの物質の仲立ちをして、油を水に溶けこむようにします。